おもしろい物語の作り方を要素分解してみた

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最近、おもしろいと感じる物語が少なくなってきました。

歳ですかね。正直コンテンツの消費に飽き飽きしてます。

当記事では、最近ドラマに飽きている私が、脚本家として面白い物語の作り方を要素分解してみました。

何があれば面白くて、何がなければつまらないのか。

演者であれば、観客が飽きない舞台作りができるように心がけましょう!

面白い物語を作る2つの要因

おもしい物語を生み出すための要因は、大きく2つあります。

脚本的構成要因
人物的魅力要因

物語がおもしろければ、人物的な魅力がなかったとしても展開が気になるので飽きません。

また、人間的に魅力のある登場人物がいれば、物語がつまらなくても飽きずに観ることができますよね。

例えば、ありきたりなラブストーリーに登場する、何をやらかすかよう分からんホームレスとか。

このホームレスが舞台上でずっと笑いながら右往左往していれば、「次コイツはなにするんや?」って気になるので、飽きずに観ることができます。

さらにホームレスが実は主人公の元カレだった!とかなら、物語的な要因が加味されるので、よりいっそう面白くなってきます。

つまり、面白い舞台とは物語の構成登場人物に観客を惹き付ける要素があるかどうかで決まる訳です。

しかしながら、それがあればゼッタイに面白くなる!というモノでもありません。

さらに深掘りしていきましょう!

面白い物語を作る脚本的構成要因に必要なもの

面白い物語を作るための脚本的構成要因には、具体的に次の3つの要素が必要になります。

  1. 物語の命題が明確であること
  2. 命題達成のために必要な困難が設置されていること
  3. スピード感

この3つが大事。

物語の命題が明確である

これが一番重要です。

その物語が目指している最終ゴールが何か分からないと、観客は離れてしまいます。

分かりやすいのは、海外ドラマ「PRISON BREAK」。

このドラマの最終ゴールが脱獄だということは、一目で分かりますよね。

そして、これから観るストーリーのすべてが脱獄に繋がることなんだと、タイトルでシンプルに伝えています。

演出をつけるときにも演技をするときにも、「この物語が目指最終ゴールはどこか?」をブラさないようにしましょう。

そうすれば、お客さんは安心して舞台を観ることができます。

命題達成のために必要な困難を設置する

次はこれです。

分かりやすいのが恋愛系の物語。

最終ゴールの設定として多いのは、付き合うか結婚もしくは破局ですよね。

しかし、この命題を追いかけるために1時間や2時間もかけているようでは、必ず飽きます

「お前らもうはよくっつけや!」ってアレです。

その命題を追いかける中で、ライバルが出てきたり、過去のアレコレが掘り返されたり、いろいろ事件が起きるから面白いんです。

事件は、命題達成のために必要な困難を生むんですよ。

例えば、不倫している上司と結婚するストーリーであれば、まず上司が離婚する必要があります。

離婚させるためにはどうしたらいいのか、不倫の証拠を奥さんに送るのか、別れさせ屋に依頼するのか、それとも諦めるのかなどなど、乗り越えるべき困難があるからこそ物語は面白くなります。

そして、命題達成のために乗り越えるべきは難しければ難しいほどおもしろい

こうした困難を脚本上にいくつ配置できるかによって、その物語の面白さが決まるのです。

スピード感

乗り越えるべき困難を設置したら、サクサクと解決していきましょう

サクサク解決といっても、乗り越えるのは難しい困難ですから、そう簡単にはいきません。

ここに面白さの源があります。

そんな方法で解決するんか!」「それは思いつかんかった、すげぇ!」ってなるほど、物語は面白くなります。

例えば先述の「PRISON BREAK」。

このストーリーでは、主人公が無実の罪で死刑になる兄貴を脱獄させるために、罪を犯して刑務所に入ります。

どうやって脱獄するのか、その策はあるのかと観ている人は気になる訳です。

これ、どうやって脱獄すると思います?

主人公は、刑務所の設計図を、自分の身体に入れ墨として彫り込んでるんですよ。

誰もそんなこと、考えつかないでしょ?

乗り越えるべき困難があちこちに散りばめられていて、「そうきたか!」という解決策がスピード感を持って出てくれば、物語は面白くなります。

反対に、乗り越えるべき困難を設置せずに脚本の命題だけを数十分も練り練りしていれば、スピード感がなくて飽きてしまいます。

面白い物語を作る人物的魅力要因に必要なもの

さて、ここまでは脚本の構成の話。

上記のようなものがあれば、まず面白い物語が作れます。

しかしながら、これを面白い物語にするためには、登場人物を演じる役者の魅力も当然必要になります。

人物的魅力要因に求められる要素は、次の3つです。

  1. 弱みがある
  2. 応援したくなる目標がある
  3. 物語が進む中で成長する

どうです?この主人公おもしろそうでしょ?

え?イメージ湧かない?じゃあ説明しますね。

弱みがあるは共感を生む

登場人物に弱みを持たせろ、というのは有名な話ですよね。

あのディズニーが必ずやっていることです。

例えばトイストーリーのウッディ。
ウッディはアンディお気に入りというポジションを失いたくない!という想いがあります。

例えばファインディングニモのマリーン。
マリーンはいい父親でありたい!という想いがある訳です。

そして、これらの大切な想いが、バズライトイヤーの登場によって、ニモが攫われることによって、脆くも崩れ去ってしまう訳です。

さらに、「自分のポジションを失いたくない」「いい父親でありたい」という想いは、誰しもが抱く感情でもあります。

そうした弱みを突かれることによって、「この問題をどうやって解決するんだろう?」という物語への没入が生じる訳です。

応援したくなる目標がある

さらに、大事にしていた感情が奪われて弱みになると、「なんとかしろよ!」と応援する気持ちが生まれます。

例えば、ポジションの奪還であったり、ニモ救出であったり。

個人的に好きな応援ストーリーは、リッチマンプアウーマンですね。

私はあの物語を、「人の名前を覚えられない主人公が、唯一覚えている母親を捜すために戸籍をデータ化する会社を作るストーリー」と捉えています。

まぁ途中で成長して恋愛に移行していくんですけど。

時価総額3千億円の企業を創り上げた理由が母親探しだなんて、愛すべき弱みじゃありませんか!

そりゃ、応援したくもなります。

物語にそういう要素があると、そのお話のファンが作れます

劇団にとって、ファン作りは大切ですよね。リピーターに繋がりますから。

劇団経営的にも、応援したくなる目標を作ることにはメリットがあるんです。

物語の中で成長する

そして、これが最強の要素

応援している登場人物が物語の中で成長していくと、観ている側としては嬉しくなる訳です。

「応援してよかった」「うまくいってよかった!」と満足感を得られます。

これを、感情報酬といいます。別名カタルシス効果

感情報酬やカタルシス効果を作り出すことこそが、ドラマや演劇の使命だと私は考えています。

その他に演劇の価値なんてありません。

人の心を動かして、感情を浄化できるからこそ価値があるんです。

ハッピーエンドでもバッドエンドでもいいんです。

忙しくて心のすり減る日常の中で、わざわざ時間を割いて舞台を観に来てくれたお客さん。

そんなお客さんが抱えているモヤモヤとした感情を、少しでも解放できるのであれば。

これ以上の幸せってありますか!?

…ちょっと熱くなりました

何はともあれ、応援している登場人物が物語の中で成長すると、お客さん喜びますよって話です。

【まとめ】おもしろい物語は、誰かのことをちょっとだけ幸せにする

当記事では、面白い物語の作り方を要素分解してみました。

まとめると、必要な要素は次の6つです。

  1. 命題
  2. ステップ
  3. スピード感
  4. 弱み
  5. 目標
  6. 応援したくなるか

これがあれば、おもしろい物語は作れます。

そして最後に伝えたように、おもしろい物語は誰かのことをちょっとだけ幸せにします

そんな物語作りの一躍を担えていることに感謝しつつ、今日も稽古に励んでいきましょう!

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