演劇マーケティングは昔から、AIDMAではなくSHIPSで集客していた

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マーケティングに携わるものであれば、知らないものはいないAIDMAとSHIPS。

これらを知らずに「マーケター」と名乗る人は、完全なる潜りです。

そして、SNSが普及した現代では、「マーケティングスキームがAIDMAからSHIPSへ移行した」なんて言われていますよね。

でも実は、演劇業界では昔から、SHIPSマーケティングを行っていました。

当記事では、AIDMAとSHIPSのおさらいと、演劇×SHIPSマーケティングでの重要なポイントをご紹介します!

AIDMAとは?

もしあなたが、マーケティングに関わっていない人であれば、AIDMAが何なのかよくわかりませんよね。

AIDMAとは、消費者の購買プロセスを説明する代表的なモデルの1つです。

Atention(注意)→Interest(関心)→Desire(欲求)→Memory(記憶)→Action(行動)

それぞれの頭文字を取って、AIDMAと呼びます。
他にもAMTULやAISASのような同様モデルがあったりもします。

かつては、消費者がこのプロセスで購買行動を起こすと考えられていました。

しかし、SNSの普及により、新しい行動モデルが提唱されます。

それがSHIPSです。

SHIPSとは?

SHIPSとは、消費者が次のプロセスで行動するモデルのこと。

Sympathize(共感する)→Identify(確認する)→Participate(参加する)→Share&Spread(共有&拡散する)

イメージするなら、ある商品を買って「いいな」と思い、SNSに投稿するときの行動。

そしてSNSに投稿したコンテンツが、また共感を呼び、他の誰かの購買行動を刺激する

これが、SHIPSモデルそのものです。

舞台集客にも実は、SHIPSマーケティングが昔から使われていた

ここで考えたいのが、演劇公演での舞台集客への応用

実は、舞台集客の構造そのものはSHIPSモデルなんです。

Sympathize:フライヤーのキャッチコピーを見て、共感する

Identify:どんな舞台なのか、詳細を確認する

Participate:劇場に脚を運ぶ

Share&Spread:舞台の内容を友人知人に話す

舞台集客は、昔からこのプロセスで、人を集めていました。

おそらく、SNSが普及するよりもはるか前から。

さらに、演劇はお客さんが実際に劇場に足を運ぶ、ユーザー参加型のビジネスです。

お客さんが行動を起こして、劇場で経験したことが口コミで広がる。そう考えればこれは、ごく自然なプロセスですよね。

でもだからこそ、もったいないなと思うのです。

なぜなら、SNSという集客加速装置が普及した今、それをうまく使えていない劇団がほとんどだから。

重要なのはIdentify(確認)。それだけで舞台集客は上手くいく

演劇に限った話だと、Participate→Share&Spreadのプロセスは、そこまで注力しなくても自然に発生します。

さらに、公演の仕上がりが良けれ良いほど、このプロセスは加速します。

舞台作りに手を抜く劇団はないでしょう。だから、現状のままでも大丈夫。

問題なのは、共感と確認です。

特に、確認のフェーズで多くの劇団が失敗しているんです。

次のフライヤーを見て、舞台をイメージしてみてください。

例えば、私が学生時代大好きだった劇団のフライヤー。

コピーはこうです。

人気作家チヨダコーキの小説で人が死んだ—あの事件から十年。アパート「スロウハイツ」では、オーナーであり脚本家の赤羽環とコーキ、そして、友人たちが共同生活を送っていた。好きなことに没頭し、刺激し合っていた五人。そこへ新たな住人が現れ…。自分の思いを世界に発信するため、悩み苦しみ葛藤しながら作品を作り上げる。そんな人達が描き出す物語。

これ、文章だけ読んで、どんな舞台なのかイメージできますか?

お客さん目線で考えるんですよ。

演劇初心者のお客さんが、友人に紹介された舞台のこのコピーを見て、「私は今日、どんな舞台を観るんだろう?」と想像できるかどうか。

おそらく、このコピーでは不可能です。

一方こちらは、私の先輩が主催を勤める劇団のフライヤー。

コピーはこうです。

1963年、原子力開発の研究室で起こったひとつの事故。感情さえ成業できない程度の理論で原子力を制御しようと、人間たちの生き様が激しくぶつかり合う。事実を公表するのか、正しさとはどこにあるのか、いったい何が正しいのか。一人として同じ結論を見ない物語。

これはどうでしょうか。
イメージできますか?

こちらは比較的、イメージできるコピーになっていますよね。

ちなみに私は、どちらの公演も見ていませんが、

前者は
「作家と脚本家を含む5人の表現者が共同生活をするアパートに、新しい住人が来て何かをやらかす物語」

後者は
「原子力開発の事故をきっかけに、原子力への是非を問う論争が勃発。原子力をきっかけに『正しさとは何なのか』を命題にして、登場人物がそれぞれ別の結論にたどり着く物語」

こんなイメージです。

わかります?フライヤーから伝わる舞台の解像度がまったく違うんですよ。

解像度が高ければ高いほど、お客さんがその舞台を見たときの情景を「事前に確認できる」ので、安心して劇場に足を運ぶことができるんです。

この「事前に確認できる」が死ぬほど大事です。

お客さんはお金と時間を費やして来場する。その価値があるかを事前に伝える

お客さんはお金と時間を費やして、劇場に来られます。

身内でもない限り、事前にそれだけの価値を感じられなければ、劇場には来ません。

だから、ほとんどの劇団では、新規の観劇者が増えないのです。

これを解決手段はただ1つ。

事前にどれだけ舞台内容をイメージさせられるか

初めて演劇を見るお客さんは、不安を抱えています。

「どんな舞台だろう?」

このたった1つの疑問を解消するだけで、初めてのお客さんも劇場に足を運ぶようになります。

人が行動するのは、その行動の結果がイメージできるときだけ

この原則を知っていれば、フライヤーやTwitter宣伝、YouTube投稿の仕方が変わるはず。

【まとめ】事前に来場後のイメージを抱かせられるか。それが演劇のSHIPSマーケティングの鍵になる

当記事では、AIDMAとSHIPSの簡単な紹介から、演劇マーケティングでの応用までご紹介してきました。

鍵を握るのは、舞台で観れる物語を、事前に宣伝で明確にイメージさせられるか

この一点を意識して、集客してみましょう。

あなたの劇団にもっと人が集まりますように!

志波さん

志波さん

新卒で東証一部上場企業に入社後、企業や会社に縛られる生き方ではなく、自分の時間や自分の人生を生きる生き方をしたいと痛感し、1年で仕事をやめる。その後、アフィリエイトで生計を立てる。現在は、マーケティングや編集領域で稼ぎ、自由に楽しく暮らす。Youtubeでは、初心者ブロガー向けにライティング講座を開講している。

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